「覚めない夢」

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そういえば…学校に電話しなきゃ。 プルル…プルル… ガチャ 「はい、大海学園です。」 「あっ、1年D組の友浜真音ですけど…。」 「あぁ、友浜さん!?今、北神先生呼ぶからね!」 ~♪…♪ あっ、学校の保留音…きれいなオルゴールだぁ… 保留音に聴き入っていると先生が出た。 「もしもし?友浜さん?」 「あっ、はい。」 「よかった~、心配したのよ?」 「…すみませんでした。」 「謝らなくても大丈夫よ。海音さんと、池野さん、それから立川さんも…みんな心配してたわよ。」 「はい…。」 「でも、よかったわね、友浜さん。」 「えっ…?」 「友達想いの子に巡りあえて。そういえば…国語の水口先生も喜んでたわ。自己紹介のとき、友浜さん、自分が話しかけるのが苦手ってみんなに伝えたって水口先生から聞いたわ。」 「はい…。」 思い出したら恥ずかしくて、うつむく。 「立川さんたち、いい子でよかったわね!あとね、水口先生が言ってたんだけど、友浜さんのこと、素直な子ね、って。」 「えっ?」 「ちゃんとみんなに苦手なことを伝えれる子ってなかなかいないから、すごいなって思ったんだって。」 「あ、ありがとうございます…。」 「ふふ、これは本当は言わないでって言われてたけど…内緒で教えてあげる。水口先生には内緒よ。」 「ありがとうございます!」 「うん、じゃあ、明日、待ってるわ。」 「はい!じゃあ、また明日ですね!」 「そうね。じゃあまたね。」 「はい、また。」 ガチャ ツー…ツー… 私は嬉しくなって、鼻歌なんて歌いながらご飯の用意をした。 ご飯がおいしい! 明日、楽しみだな!
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