「消えない傷」

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コンコンッ 「失礼します…」 「あ、友浜さん!北神先生~、友浜さん来ましたよ!」 「はーい!」 先生が多いので職員室は広い。北神先生がこっちへ向かってくる。 「友浜さん、おはよう!今日は一緒に教室へ上がろうか?」 「い…いえ!大丈夫です…。」 言葉とは裏腹に体が震える。本当はとても心配で仕方がない。 そんな私の様子を察したのか、先生は、 「ううん、一緒に上がるわ。」 と、言って下さった。 「じゃあ…お願いします。」 なんだか転校生みたい。 教室へ行きたくないな…。 ―――蘇る。 … … ガラッ 「おい、見ろよ。友浜のやつ、先生と入ってきたぜ。」 「教室の場所もわかんないのか?転校生かよ!」 ワハハハ… … やだ…! やだっ…!! 思い出したくないっ!! 「…友浜さん?」 北神先生の声も聞こえない。 ここから動けない… 体が震える… 怖いっ! 「友浜さん!?」 次の瞬間―――私は走り出していた。
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