55人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
晋次は人の話しを聞かずすぐ暴走する
まあ俺も便乗して暴走したりするが
「不公平だと思わないか聖、何故お前はモテる?何故俺はモテない?ちょっと立ち位置交換しないか」
「出来るならしてやってもいい」
「言ったな!?」
「やり方が分からん」
「……ですよね~」
そんな下らないいつも通りの話しをしながら一瞬、ほんの一瞬だけ横の車道をチラ見した
何気なく見たつもりでまた視線を前に戻したが
その一瞬で何かが俺の気を引いた
いや
“何か”の正体は分かっている
今横を通り過ぎた車だ
俺達と同じく学校に向かってるその車
正確にはその車の後部座席
雷にでも撃たれたような衝撃を受けて一瞬止まってしまった
“あの子”が乗ってるように見えたから
「どした?」
次の瞬間の晋次の言葉でハッとした
「あ、いや、なんでもない、多分見間違いだろ、一瞬だったし」
「ふ~ん、で?昨日のオカズは?」
あれ?
そういう話しだったか?
つい数秒前の事が思い出せない
「そういうお前は」
「昨日は陵辱系だった」
そういえばコイツはいつも陵辱系しかやらなかった気がする
あ、PCゲームの話し
「触手がさ~エロくてさ~男のロマンだよな~」
「全然」
「裏切りもの!」
もう見えなくなった車の後ろ姿を見送りながらあとを追うように学校へ向かった
最初のコメントを投稿しよう!