ある物語

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あるところに、一人のお姫様がいた。 彼女はいつの頃からか、自分のことが嫌いになった。 この髪も、顔も、体も嫌い! 醜い自分の姿に落胆し、誰にも姿を見られたくなかった。 お城のずっと奥に身を潜め、外に出る時は誰にも見られないように、用心していた。 お妃様は、そんな娘に語りかけた。 貴方は私の娘。 とっても可愛いのよ。 自信を持って。 母の言葉は、お姫様の心に届かなかった。 かつて、私を見た王子達が言っていたわ。 私は醜いって…。 この顔も! この体も! 声さえも! たくさん傷つけられた心は たくさんの涙を流し いつしかお姫様の心を 石のように固く、冷たくしていた。 私はずっと一人… 私を愛してくれる人はいない…。
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