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あるところに、一人のお姫様がいた。
彼女はいつの頃からか、自分のことが嫌いになった。
この髪も、顔も、体も嫌い!
醜い自分の姿に落胆し、誰にも姿を見られたくなかった。
お城のずっと奥に身を潜め、外に出る時は誰にも見られないように、用心していた。
お妃様は、そんな娘に語りかけた。
貴方は私の娘。
とっても可愛いのよ。
自信を持って。
母の言葉は、お姫様の心に届かなかった。
かつて、私を見た王子達が言っていたわ。
私は醜いって…。
この顔も!
この体も!
声さえも!
たくさん傷つけられた心は
たくさんの涙を流し
いつしかお姫様の心を
石のように固く、冷たくしていた。
私はずっと一人…
私を愛してくれる人はいない…。
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