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モヤモヤしたまま春休みが始まった。
休み中の私は、
心ちゃんと遊びに行ったり、家事に力を入れたり、バイトを始めたりと
それなりに充実していた。
でも、頭の中では北原君が消えなくて、ずっとモヤモヤしている。
早く忘れないといけないのに…
…会いたいなぁ。
「ニャー!!」
「あっショコラごめんねっ!!」
そして私は、暇さえあればショコラのいる病院に来ていた。
もうカフェ代わりみたいにお茶をご馳走になっている。
あっそういえば、ショコラの飼い主が決まりました!!
私です!!(笑)
飼い主がなかなか見つからないので、ダメ元でお母さんに頼んだら、予想とは裏腹に快く許してくれた。
餌代とか負担かけないように、頑張ってバイトしなきゃ。
「先生、本当にお世話になりました。」
「いえ、こちらこそ。ありがとうございました。しかし何だか寂しくなりますねぇ」
「あはは(笑)」
「たまには顔を出して下さい。診察は無料でしますんで。」
「ありがとうございます!!」
「それと…」
「はい?」
「恋愛相談も受け付けてますんで(笑)いつでもどうぞ」
また先生は!!////
でも優しさが嬉しかった。
「ありがとうございます!!」
深々と頭を下げて、ショコラと病院を出た。
「ショコラ、これから宜しくねっ!!」
「にゃー!!」
せっかくだから公園を通って帰ろう。
桜満開だし!!
信号を待っているとき。
ボーっと近くの建設現場を眺めていた私は
見覚えのある人を発見した。
…きききき北原君!?!?
何で!?どうして!?
私はびっくりしすぎて、信号を渡ることも忘れていた。
建設現場には
頭にタオルをまいて、木のくずだらけで一生懸命働いている北原君の姿があった。
「うそ…」
信号、何回変わっただろう。
私はずっと北原君のことを見つめていた。
北原君の家って、超お金持ちなんじゃなかったっけ!?
なんであんなところにいるんだろう…。
でも、一生懸命働いている北原君は、学校にいる時よりも増してかっこよかった。
「…そうだ!!」
ガコンっ
自販機でお茶とコーヒーを買った。
北原君、どっち派だろう。
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