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北原君は
成績優秀、スポーツ万能、
モデル並にカッコいいという、絵に描いたような少女漫画体質イケメンらしい。(?)
なもんで学校中のアイドルになっている。
「ホントすごいよねぇ…」
私もいつも圧倒されている。
「薫は興味ないの!?北原君♪」
「うん。顔も見たことないよ。」
「あはははは(笑)」
心ちゃんが爆笑した。
「薫ってホント恋とかに無頓着だよね(笑)」
「いやっそういう訳じゃないんだけど…」
「早く見つけなよ~!!好きな人っ」
「うっうん(笑)じゃあまた明日ね~!!」
「バイバーイ♪」
…恋とかに無頓着か…。
恥ずかしながら、私
安藤 薫は高校生にもなって初恋もまだなのだ。
2年生になったら、素敵な恋ができるといいな…なんて。
「や~、かわいそう~!!」
「車にひかれちゃったんだ~。…どうする?」
ん?
なにやら交差点で小さな人だかりができていた。
気になって近づいてみると…
「ひどいっ!!」
車にひかれてしまったらしく、小さな黒猫が道路に横たわっていた。
「どうする~?埋めに行く?」
「やだ~触れない~!!」
皆そのような事を言い合って立ち往生していた。
その時
まだ息してる!!
猫がまだ生きていることに気づいた私は、いてもたってもいられなくなった。
「え!?」
「すご~い!!勇気ある~(汗)」
皆の視線も気にせずに、私は着ていたカーディガンを脱ぎ、子猫を包み込んだ。
そしてすかさずダッシュ!!!!
「すげー!!」
「頑張れよ~!!」
何故か後ろから拍手が聞こえてきたが(汗)かまうことなく懸命に走った。
確か駅の近くに動物病院があったはず!!
「はぁっはあっ…もうちょっと頑張ってね!!」
あぁもう!!もっと日頃から運動しておけばよかった!!
自分の足の遅さに苛立った。
その時だった!!
キキーーー!!
一台の自転車が私の目の前で止まった。
「!?ちょっと!!急いでるんでっ」
「乗れよ。」
「え!?」
「動物病院いくんだろ?乗せてってやるよ。」
「え!?」
「ほら早く!!急げよ!!」
「はっはいっ…」
私は訳もわからないまま、その人の自転車の後ろにまたがった。
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