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「よし。とばすぞ。」
「うおっ!!」
その人は本当にすごい速さで自転車を漕いだ。
私はまだ何がなんだかわからないままだった。
とりあえず早くこのこ助けないと!!
あっと言う間に動物病院に着き、
私達は先生に事情を説明して、すぐに手術が始まった。
どうか…どうか助かりますように…!!
私はとにかく祈っていた。
待っている最中も、その自転車の人はずっと黙って一緒に居てくれて…。
一時間ほどたったのだろうか、手術室のドアが開いた。
ガラッ
「先生!!」
慌てて立ち上がった私に、
先生は笑顔でピースサインをくれた。
「無事に息を吹き返しました。あなた達のおかげですよ。」
「あ…」
よかった…。
安心して、私は思わず泣いてしまった。
「あっありがと…ございま…」
「よかったな!!」
自転車に乗せてくれた人が、笑顔で声をかけてくれた。
この人のおかげで助かったんだ!!
「ホントに…ホン…にありがと…」
ヤバいなんか一人で感動してしまって涙が止まらない!!(←感動屋)
「ぷ!!(笑)」
男は爆笑した。
「え!?」
「あんたって可愛いな!」
そう言って、男は私の髪をクシャクシャに撫でた。
その瞬間、心臓が踊るようにドキドキしていくのがわかった。
改めてその男を見る。
…笑顔が輝いてみえた。
私はドキドキしすぎて何も考えられなくなっていた。
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