恋の予感

7/10

99人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
マシンガンの様に責め立てる心ちゃんの声すら耳に入らなかった。 もしかして… 昨日の人って… 北原君だったのー!? 『恋の予感』という言葉が一瞬にして粉々に崩れた。 私…バカだ…。 初めてトキメいた相手が、学校1モテモテの北原君だったなんて…。 恋なんて思った自分が恥ずかしい。 私なんか相手にするわけないよね…ハハハ 「ハハハハハハ…」 「ちょっ!!(汗)薫!?しっかりしてー!!」 するといきなり女子達の黄色い歓声があがった。 「北原君が来た~!!」 「北原君おはよ~♪」 「超かっこいー!!」←笑 ちらっと北原君を見る。 …やっぱり昨日の人だ(涙) ん!? 北原君と目が合った!! 思わず目をそらす私。 「北原君こっちくるよ…」 ボソっと心ちゃんがつぶやいた。 うわホントだ!!こっちくる… どどどどうしよう 「あ…あ…あ!?そうだ!!私今日日直だったんだー!!」 精一杯そう叫ぶと、 ガシッと心ちゃんの腕を掴み、ダッシュした。 「ちょっ…かおる~っ!!」 辺りがしーんとなった。 「何あれ~」 「あの子、5組の安藤さんでしょ?昨日北原君と帰ってた…」 「え!?超地味じゃんっ」 「北原君~なんで安藤さんと帰ったの~?」 「………」 北原は去っていく二人の後ろ姿を見つめていた。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加