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あれから数日、私はできるだけ北原君を見ないで済むように、近づかないように必死だった。
…でも…
「ねぇっ昨日さぁ~たまたま1チャン見てたんだけど~!!なんと北原君のお父さんが出てたよ!!」
「うそ~!!すごすぎ!!
お父さんってノース食品の社長なんでしょ!?」
「超お金持ちだよね!!…でもなんで公立の高校にいるんだろ?」
「社会勉強じゃん?(笑)しかしここまでパーフェクトだとさ、ちょっとひくよね(笑)」
「ちょっと何言ってんの!?じゃあユリはもう北原君好きじゃないってことね♪私頑張っちゃお~」
「うそうそ!!私も北原君好き~!!」←(笑)
と言うように、教室では北原君の話題が絶えない。
なので嫌でも北原君の情報が耳に入る。
…聞き耳たててるのは私なんだけど。
北原君、お金持ちなんだ…
「はぁ…」
とため息をついた。
「なに薫、恋わずらいか!!(笑)」
また心ちゃんがからかう!!
キャー!!!!!!
「!?」
女子達が一斉にベランダに集まる。
「北原君、次体育か(笑)ほらっ薫も行くよっ!!」
「私はいいよ~!!」
心ちゃんに無理やりベランダに連れて行かれる。
北原君は他の男子と一緒にグラウンドに向かっていた。
あ…笑ってる…
ドキッ
ダメだ…やっぱり目で追ってしまう…。
その時、ふいに北原君がうちのクラスの方を見上げた。
キャー!!とまた歓声があがる。
ん?
目が合った気が。
バッ!!
思いっきり目をそらしてしまった。
…目が合うはずなんてないのに…なにやってんだか。
「はぁ……もどろっ心ちゃん。」
「薫?」
ーーその時、外では…
「おい北原っ何見てんの?五組に好きな奴でもいんのか?(笑)」
「うるせーよ!!////」
「しかしなんでお前ばっかなんだよぉ!!ムカつくなあ!!(笑)」
「しるかっ」
「頼むから早く彼女作ってくれよ~」
「………。」
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