蒼空

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「ふん、ざまーみやがれ」 先程の男の子が、チャコが出ていった扉に向かい、そう吐き捨てる。 ロウ博士は、怒りの表情でその子を睨み、こう説き伏せる。 「レカス、チャコの身にもなってやれ。あいつは…只でさえ仲間がいないんだ」 「ねぇ博士。どうしてチャコは、皆から嫌われているの?」 近くにいた可愛らしい女の子が、博士に問う。 「嫌われているわけではないんだよ……嫌われているわけでは…」 博士はぶつぶつ呟きながら、手を二回叩き、話がおしまいであることを知らせる。 子供たちは少し不服そうにしたが、博士のなんとも言えない悲しげな表情を見つめ、少しずつであったが帰って行く。 「博士…ばいばい」 博士の近くにいた、可愛らしい女の子が手を振る。 「ああ、リサ。さよなら」 疲れたようにそう言うと、リサは心配そうな面持ちで、研究室を出ていった。
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