プロローグ

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ミア王国――。 この世界で最も大きな王国で世界の中心。 「大変です! またレイン王子様が抜け出しました!!」 「またか…ι」 「ガイを連れて行ったのだから大丈夫だろう」 「ですが…!」 「ガイも一緒なのだから心配いらん」 「また街に遊びにでも行ったのだろう」 「ですが、レイン王子様はミア王国の後継者です。 何かあったら…」 「その為にガイがいるのだろう」 「はぁ~ι」 どうやらこれは日常のことらしく、誰も気にする様子はない。 『ガイ、次はあっちだ』 「はい」 肩まである黒髪を一本に結っている碧の瞳の少年が王子様。 まだ少し幼さが残る顔立ちの好奇心旺盛な少年だ。 その後ろから銀髪の騎士の青年がいて、王子様の護衛の一人である。 服装からすぐに王子様とバレるが、当の本人は気にする様子もない。 「王子様、そろそろお城に戻らないと‥‥」 『やだっ! また勉強ばっかり!!』 「王子様はミア王国の後継者ですから。 この王国の歴史を学ぶのも必要なのですよ」 『…分かってるよ。 だけど、いつも歴史や法律の勉強ばかりだ。 たまには弓や魔法の勉強もしたい』 「王子様は魔法の方が好きでらっしゃるんですね」 『うん。魔法は好きだ。 結果が出るから。 でも、歴史は繰り返して覚えてもまた覚えて‥‥。 確かに王になるにはそれらを学ぶことは必要だ。 それは分かってるが、毎日同じ勉強ばかりだとハッキリ言ってつまらない。 それに、僕はミア王国以外は知らない。この目で広い世界を見てみたいな…』 「王子様…」 『そういえば、ガイは外から来たんだったな。 どんなところなんだ?』 「――小さな村ですよ」 レインはガイの話に耳を傾けた。
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