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「あ、南緒、明日の稽古の時間さー、……南緒?」
立ち尽くしてたら、後頭部に強めの衝撃(手加減なし!?)。
「何ボケッとしてん……何?」
後頭部に衝撃を加えた犯人がちょっと怯んだ。
「……新しいネタか?」
「はい?」
「その顔R指定入るぞ」
R指定?失礼な、、
「私どんな顔してます?」
「死刑宣告受けたような顔して目カッ開いてる」
「………」
彼は仕事の先輩に当たる神崎。
がくり、南緒が脱力していると、なんかあったか~?と言いながら着ていたTシャツを脱ぎはじめた。
「な、何してんすかっ!」
「何って着替えてんだろ」
「こんなとこで着替えないでくださいよ!」
「今更恥ずかしがってんじゃねぇよ」
そんなその辺の若い女じゃあるまいし……って!
「神崎さんのせいじゃないですか!」
「は?何が?」
「何ッ……うっ…」
絶叫しかけて詰まってしまった。
「……っなんっ、何でもないですよっ!」
言い捨てて走り去る。
後ろから「あっ!?だからお前稽古の……」などと声が追いかけてきたが、南緒にそんな余裕は無かった。
……そうだ。
元の元辿ったら、こんなことになったのは全部、神崎のせいだ。
【そもそもの元凶】
(「……あんれ?今ここ南緒おらんかったですか?」)
(「何か絶叫して逃げてったぞ」)
(「はい?」)
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