超越せし者達

11/19
前へ
/759ページ
次へ
氷柱の間から悠然と歩み出て来たのは、薄いブロンドヘアの少女、メイ。 「<スプリット>」 少女の言葉で、全氷柱の1割程が砕け、細長く分離していく。 「<ドライブ>」 それが伝わると、分離した氷の欠片が、意思を持つかの様に空中を飛来する。 「…フッ、相変わらず派手だ」 「そろそろ仕上げだね」 シェスターとアリッシュの2人は、群れの中を斬り進み跳躍。 氷柱に衝突した群れと、足を止めていた群れとの間に出る。 アリッシュは、おもむろに盾に変化したバスターソードの刃に、右手の片手剣を鞘に納める様に上から突き入れ、盾の時とは別のジョイントを引く。 すると、盾が片手剣に沿って四分割にスライドし一部回転。 再び別の形状に変化した。 それは、刃がL字型の、大剣と大鎌を合わせた様な、奇怪な形をした武器。 アリッシュが武器の形状変化を終えるのと同時に、氷刃の雨が『ガンダルフ』の群れに降り注ぐ。 獣の断末魔の咆哮が耳朶を震わす中、小柄な少女が、2人の少年の背後に降り立つ。 「ちょっとシェスター!  取りこぼしが多過ぎるわよ!  あんな数後ろに通すつもり?」 憤慨しながら詰め寄るメイ。 彼女の身長はアリッシュ同様、シェスターの胸元くらいまでしかない。
/759ページ

最初のコメントを投稿しよう!

254人が本棚に入れています
本棚に追加