責務と意志

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イルイダヤ大陸西南に位置する、海に面した国、レゼンブルム共和国。 世界に在る3本の純白の搭、『天の楔』の内の1本が大陸にある国。 『天の楔』の周囲は、特に魔法の要である魔素が濃い。 人類の天敵である魔物、『テラー』は、魔素を生命力に還元する為、魔素の濃い地域に好んで生息している。 レゼンブルム共和国は『天の楔』から1500キロ以上離れているものの、『テラー』から受ける被害は、他国の比では無かった。 日増しに強大化し、生息範囲を拡大していく『テラー』に対し、いつしか国の防衛機能は危ぶまれ、国政も乱れていった。 そんな中、海を隔てたある国で、革命が起こる。 亜人を扇動した人間の手によって、その国、ラミラリーダ王国は滅び、新たな国が生まれた。 その国名は、『シルバニア』。 世界に広がる人為らざる存在の遺伝子を持つ亜人達の、人権を取り戻した国。 その存在は、瞬く間に世界を席巻し、激震を走らせた。 『シルバニア』の存在が、それまでの体制に、絶大な影響と亀裂をもたらしたのは、言うまでも無い。
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