責務と意志

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「…お姉ちゃん達、アリッシュの事溺愛してたからね。 私の見てないとこで、なんか」 「学校に着いたよ!  メイ、早く行こう!」 強引に話をはぐらかし、アリッシュは駆け出した。 「あ!  ちょ、ちょっと待ってよ!」 慌ててその背を、メイは追い掛けた。 風に揺れる黒を基調とした制服と、2つに別けられ左右両腰に納め下げられた、白金の双刃剣。 若干16歳の少年少女が武器を携帯している様は、見る者に違和感を与えるかもしれない。 それでも、彼らが初動を起こせば、それは皆無となる。 何故、彼らの様な子供が前線で戦うのか。 その答えは、この国の現状が物語っていた。 人社会を脅かす、『テラー』の脅威故に。
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