超越せし者達

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躍り掛かる獣の所作に合わせ短距離加速、回避後即座に頭部を斬り捨てていく。 瞬く間に3体の『ガンダルフ』を地に伏せる少年。 驚異的な武力だが、戦闘スタイルは回避を重視したもの。 彼1人だけでは、獣達の勢いは止められない。 「はあっ!」 そこに、跳躍して現れる人影。 同じく跳躍し、宙を舞い他の兵士達に飛び掛かろうとしていた『ガンダルフ』の頭を、バスターソードで叩き割る。 「アリッシュ、3秒遅刻だ」 隣に着地した少年に、辛口を送る。 だが、表情は寧ろ綻んでいた。 「細かいよシェスター。 てか、僕は走って来たんだけど」 アリッシュは軽く溜め息を付く。 そんな彼には視線を向けず、長身の少年シェスターは、目前で警戒しながらにじり寄る、『ガンダルフ』の群れを見据える。 野生の本能が、少年達を障害と認識した様だ。 「フッ…  それより、支援は止めだ。  俺達で殲滅するぞ」 「相変わらず過激だね。  けど、賛成」 バスターソードを地に振り向け、刃に付いた『ガンダルフ』の血液を散らせる。 シェスターだけでなく、アリッシュも理解していた。 この異常な数の敵を、早期に排除せねばならない必要性を。
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