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ナオミは、目を合わせずに言った。
「あとで話があるの」
高橋の不安は膨らんだ。ごろりと横になっていた身体を起こし、
缶ビールを開け、夕食を食べ始めた。
食べながら、徳子の姿が浮かんだ。バレたのだろうか?
高橋は、穏やかならぬ思いで食事を済ませた。
その間、ナオミは、一言も口を利かなかった。いつもなら、よく喋るから余計、不気味である。
高橋は、煙草を吸いつつ、早く話を聞きたくて、
「どういう話だい?」と身を乗り出して質問した。
しかしナオミは、口を固く結んだまま答えてくれなかった。
高橋は、言うとおりにしないナオミを睨んだ。
ナオミも負けずに睨み返した。
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