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中野は、迷惑そうに彼等を眺め、まだ質問をしたそうな様子である。
しかし、高橋は、新たな客のために、いろいろ準備を始めた。
客達は、唯一のテーブル席に腰掛けた。
高橋は、お通しを3人前、急いで作り出した。
彼等は、はしゃいでいた。どうやら競輪で当てた者が、他の2人に奢るらしい。
「お~い、ボトル入れるから持って来てくれ。それとビールを2、3本」そんな声が飛んできた。
高橋は、彼等に顔を向け、すぐまた料理を始めた。
中野は、これ以上、質問するのは無理らしいと判断したらしく、
「何か思い出したり、女が現れたら教えてくれませんか? 彼女を探してる人がいるんです」
と言って微笑した。
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