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ナオミは、興奮を抑えつつ、松平部長の住所と電話番号を探し出した。
ナオミは、直接、電話してみようか、と思い電話機を見つめた。
しかし、そうする勇気が湧いてこなかった。
ナオミの頭に相手の女って、どんな女だろう、
という好奇心が生まれた。どんな家に住み、どんな暮らしをしているのか?
そんな疑問がナオミを悩ませた。
ナオミは、悩んでいるのに耐えられなくなり、アパートを出た。
そして、自転車に乗って松平家へ向かった。
外は灰色の雲が空を覆っていた。冬の空気は、とても冷えており、
通行人達は、暗い表情で黙々と歩いていた。
ナオミは、商店街を抜け、高台の高級住宅地区を目指して自転車を走らせた。
ぐずぐずしてはいられない。何しろ、令子を1人アパートに残して来ている。
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