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もし、何かあったら大変だ。
ナオミは、ハアハア息を弾ませて坂道を上った。
やがて、辺りは広々とした庭を持つ邸宅地区になった。
ナオミは、美しい家々を羨ましげに眺めつつ、松平家を探した。
住居表示に従って、自転車のペダルを漕いだ。
角を曲がって、右折すると目の前に松平家があった。
松平家は、想像していた通り、大きく立派な家だった。
ナオミは、自転車から降りて、スタンドを立て門に近寄った。
中を覗くと15メートル先に玄関があった。
ナオミは、女の姿がないかとキョロキョロ邸内を見回した。
しばらく、そうしていると隣家の2階の窓が開き、50半ばくらいの婦人が、不審そうにナオミを見た。
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