3 死

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5 死 その夜、高橋は、午後8時頃に帰宅した。 ナオミは、夕食をテーブルに運び、缶ビールを添えて出した。 部屋は、石油ストーブを焚いており、暖かかった。 高橋は、ジャンパーを脱ぎ、炬燵に潜り込んでテレビを観た。 別に観たい番組があるわけでは無かった。 テレビが点いていないと落ち着かなかった。 高橋は、なんとなく普段と違うナオミに気づいていた。 内心、どうしたんだろう、と思っていた。 「今日は、寒かったよ」 高橋は、それとなくナオミに話かけた。しかしナオミは聞こえないらしく返答が戻ってこなかった。 高橋は、不安になって、 「どうした?」と尋ねた。
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