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高橋は、逆らう気なのかと思い、怒りがこみ上げてきた。
しかし、暴力を振るって話をさせることは出来ないだろう。
女に暴力を加えるのは男のすることじゃない。
高橋は、ナオミが自分から話し出すのを待つことにし、食器を流し台に運んだ。
そして、食器を洗ってから風呂に入った。
いつもの習慣である。
高橋は、ナオミに対する怒りを抑え、風呂から出ると炬燵に入り、テレビを観ながらウイスキーを飲んだ。
午後10時になって、ナオミが令子を寝かせて、炬燵に入ってきた。
高橋は、いよいよだな、と身体を起こした。
ナオミは、しかめっ面をして、
「今日、変な電話があったわ」と言って高橋の反応を窺うように見た。
高橋は、暗い表情で、「どんな?」と尋ねた。
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