3 死

85/108
前へ
/629ページ
次へ
高橋は、職場で文句を言われたくないと思っている。 そうするにはナオミと仲直りするのが1番良い解決策だと考えた。 高橋は、どうやってナオミの機嫌を良くさせるか、昨夜から考えていた。 だが、今のところ良い考えが浮かばなかった。 高橋は、自分では良い策が出てこないと分かった。 そこで昼休みに徳子に電話した。 高橋は、電話に出た徳子に言った。 「あの、…俺だけど、もう会うのは止めたいんだ、…」 高橋は、どうしたらいいか相談するつもりで電話した。 なのに徳子に別れ話をしてしまった。 何を言ってるんだろう。 でも徳子が承知してくれたら、もうナオミに心配かけずにすむ。 徳子と無関係になればナオミは、きっと機嫌を直してくれるだろう。 高橋は、別れ話がすんなり決まれば良いと思った。 徳子は、どうして急にそんなことを言い出すのか? と質問した。 高橋は、沈んだ声で、 「女房にバレたらしい。昨日、誰かが女房に俺とおまえのことを告げ口したんだ」と高橋は、答えた。
/629ページ

最初のコメントを投稿しよう!

693人が本棚に入れています
本棚に追加