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徳子は驚き、「本当?」と聞き返した。
「あぁ、女房は、カンカンに怒ってるよ」
高橋は、話ながら泣きそうになった。
徳子は、黙って聞いていた。頭の中で、栄一や藤原、そして高橋と妻のことが、めまぐるしく動き回っていた。
「だから、しばらく様子を見ようと思うんだけど、…いいだろう?」
高橋は、お願いするような口調になっていた。
「嫌よ」
徳子は、はっきり拒否した。
「そんなこと言ってもなあ、…」
高橋は溜め息をついた。
2人共、どうしていいか分からず沈黙してしまった。
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