3 死

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午後11時を過ぎた。こんな時でも時間は変わりなく動いていた。 高橋は、令子の死体を眺め、どうしたものかと考えた。 今更、救急車を呼んでも令子が生き返るわけじゃない。 かと言って、このまま放置しておくわけにもいかない。 ちゃんと葬式を出してあげなくちゃいけないだろう。 今の状況なら救急車を呼ぶんじゃなくて、警察に連絡するのが正しいのかも知れない。 高橋は、渋い顔になった。警察に連絡するのに抵抗を感じた。 警察官は、どうせ、どうしてこんなことになったのか、と尋ねるだろう。 そうなれば、徳子と浮気していたことを言わなければならない。 更に警察官は、どうして徳子と肉体関係を結ぶようになったのか、と尋ねるだろう。 それは、自分が無理矢理、徳子に乱暴したことが始まりだ。
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