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午後11時を過ぎた。こんな時でも時間は変わりなく動いていた。
高橋は、令子の死体を眺め、どうしたものかと考えた。
今更、救急車を呼んでも令子が生き返るわけじゃない。
かと言って、このまま放置しておくわけにもいかない。
ちゃんと葬式を出してあげなくちゃいけないだろう。
今の状況なら救急車を呼ぶんじゃなくて、警察に連絡するのが正しいのかも知れない。
高橋は、渋い顔になった。警察に連絡するのに抵抗を感じた。
警察官は、どうせ、どうしてこんなことになったのか、と尋ねるだろう。
そうなれば、徳子と浮気していたことを言わなければならない。
更に警察官は、どうして徳子と肉体関係を結ぶようになったのか、と尋ねるだろう。
それは、自分が無理矢理、徳子に乱暴したことが始まりだ。
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