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そう答えれば、自分は、婦女暴行罪を犯したことを公にすることになる。
高橋は、そんなことはしたくなかった。
自分の罪を公になどしたくなかった。
それにナオミが無理心中を謀り、令子を殺したことも警察に知られてしまう。
ナオミを殺人者にすることなんて、とても出来ない。
やはり、警察に連絡するのは無理だ。
高橋は、何か良い考えが浮かばないかと煙草に火を点けた。
一服、二服するうちに令子が死んだことなど無かったことにすれば良い、という考えが閃いた。
令子が死んだことを誰にも知られないようにすれば良い。
高橋は、その考えに飛びついた。そうだ、何もかも捨てて、ここを出て行こう。
高橋の目に力が甦ってきた。
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