680人が本棚に入れています
本棚に追加
/629ページ
高橋は、松平徳子を思い出した。
徳子も1人で「恵比須」で飲んでいた。
あんなに美しい女なのに傍に男は居なかった。
しかし、徳子は、熊本機械㈱ 営業部長の妻だった。
おそらく、中野が探している女もちゃんと夫がいるんだろう。
高橋は、更に女のことを想像しようとしたが、俄かに店先が騒がしくなり、それどころではなくなった。
客が3人入って来た。いずれも40歳位の労働者風で、安物のジャンパーを着、ウォーキング・シューズを履いていた。
今夜、初めて来た客である。
最初のコメントを投稿しよう!