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けど、やっぱりお父さんの事が一番大切なんだって、今回の入院で改めて気付いた。お父さんが倒れた日…私すごく不安だったんだ。お父さんまで私を置いていなくなるんじゃないかって…でも、お父さんは無事に帰って来た。それだけで、私すごく幸せなんだ
あっ、そうそう忘れるとこだった。
…あのね、お父さん。お父さんに渡した時計、実は私が買ったんじゃないの。この時計は組員全員がお金を出しあって買ったの…お父さんにしたら余計な事かもしれないけど…けど、それだけ組員全員がお父さんの事を大事に想っている証拠なんだ。お父さんが私や組員全員を大事に想ってくれるのと同じように皆お父さんの事を本当に大切に想ってるの…だから、もし何か隠しているのなら言ってほしいんだ。
だって私達家族なんだから。
最後になるけど…おかえりお父さん
薫より]
(薫の奴これは無いだろよ…)
知らない内に、涙を流していた。涙を拭いながら思う(薫は俺が病気だと知ったら怒るよな。「何で隠してたの」って言って…多分いや、確実泣くよな…
薫の言いたい事は充分伝わった。けど、言えねえよな…余命1年なんて。
くそっ、何で余命1年なんだよ、おかしいだろ!俺はまだ死にたくねぇよ!
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