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土方は誰にも内容を知られたくないだろうが、例え否でも内容が分かってしまう楓。
新撰組が好きな者なら大半は知っているであろう、梅の花…。
(あぁ、土方歳三…否、豊玉師匠…ご愁傷様)
楓は心の中でそっと手を合わせたのだった。
「これで賢い土方さんなら、どうすれば良いか分かりますよね~」
「…っ、俺を脅す気か総司…」
「はい?何がでしょうねぇ」
勝利を確信した目で暗に上からものを言う沖田に対し、土方は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
そして、ギロリと楓を横目で睨み付けて、そのままの状態で暫く押し黙った。
その時、睨まれている楓といえば…
(ひぃぃぃぃ!!めっちゃ睨んでるっ、めっちゃ睨んでるーっ!!)
相変わらずのポーカーフェイスで、じっと目を合わせたままだが、内心は恐怖で色々と崩壊寸前だった。
「てめえ…異人か…」
疑問符の付いていない疑問文で問われたが、聞かずとも結論は出ているのだろう。
なんせこの異色な瞳だ。
「いえ、ハーフと言います。日本人とエゲレス人との間の子です」
「ほう…合いの子か」
「ええ」
この手の会話には大分慣れた楓。すんなりと自然に答えることができた。
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