第二章

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  「あぁ…行き成り動いては駄目だよ。左手首を怪我しているからねぇ…」 何処か間延びしたその声によると私は怪我をしているらしい…。 それにしてもこの人は誰だ? 「猫さん。アナタの名前はいったい何でしょうねぇ~」 (は?猫…?) どう見ても私に向けて話し掛けている男。 しかし私は疑問に思い 動かせる首を動かし、周りを確認する。 辺りに猫は見当たらない…。 「ふふ。何キョロキョロしてるんですか?アナタの事ですよぉ猫さん」 そう言うと男は私の頭に手を置き、優しく撫でる。 (え?私は猫ですか?) 何言っているんだこの人は…益々怪しい男だ…頭が可笑しいらしい。 私は怪訝に思い、その手を払おうと右手を伸ばす。 (……何、コレ…) 伸ばした手が偶然目に映るとソレは確かに黒い…猫の手。  
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