第二章

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  試しに、軽く右手を握ってみる。……猫の手も握られた。 慌てて顔を触る。口、鼻、髭、目……耳。 (…………猫耳…) 確かに何時も(人間)の顔と違う。 頬に有る、自棄に長い髭なら『あれ?伸びちゃった?女子失格だなぁ~』くらいで現実逃避出来たのに…。 口も『私って意外とお著簿口~』鼻も『あれ?湿ってる~』で回避できた。 しかし猫耳は……。さらに顔中ふさふさしている… (本当に猫…?) 頭が真っ白になる。意味が分からない…何で私は猫に…? そこで、先程見た夢を思い出す。 深い暗い闇の中。頭に響くように聞こえてきた綺麗な声… 《楽しい遊興を始めますよ》 《主催者は私、神。》 《貴女は猫です。_と言えば一時的に…》 《では、楽しい猫遊興(ゲーム)スタート》 ……あれは本当の出来事なのか…?…信じられない…。 でも、この状況は?本当に神様の仕業なのか…? (急に頭が…痛い…。) 私は突然の出来事に痛みだした頭で、今の状況を整理しようと考える。 (…私は神様の手によって猫にされ、強制的に謎のゲームに参加させられた。…そして何かを言えば元に戻れるらしいが、それが聞こえず分からない。…状況を充たせば終るらしいがそれも謎。そしてゲーム(猫遊興)の名は…――新撰組あそび――) なんとか、こんなところか。  
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