第一章

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  グチグチくどくど続く説教。 正座する私の目の前には鬼の形相の母親、片手に紙切れが握られている。 いい加減気付いても良いのに…その紙切れの原因は自分だと。 そんなことにも気付かず、毎日説教。正直、暖簾に腕押し、糠に釘。 全く無意味なこと。 「分かったよ。次はちゃんとやる」 そう言えば母は静になり去っていく…。実に簡単なこった。 その後ろ姿を見送ると、置いていった紙切れを手に取り広げる。 プリントされている文字以外、何も書かれていない用紙。 いや、右隅に自分の字じゃない赤色で大きく丸が一つ書いてある。 「…零点ねぇ…」 自分の名前すら書いてないのに返ってくるなんて…先生もイヤミだな。 私の手には零点の紙切れ…数学の試験用紙が握られていた。  
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