第一章

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  当たり前のようにトップ高校に入り、私はまた勉強し続けた。 勿論、友達はいない。 そんなとき一冊の本に出逢った。 参考書を買うために立ち寄った本屋で、私はふと無意識に、吸い寄せられるようにその本を手に取っていた。 別に買うつもりなんてなかったが、その本を手に取ると、どうしても買わなくてはいけないような気がしてきた。 結局、参考書を買わずにその本を買うと、私は家ではなく近くの公園に向かった。 ――新撰組。 それが彼等を知る為、私が興味を抱いた初めての出来事だった。 それから私は勉強を止め読書に没頭した。 分厚いその本を二日で読み終えると何度も何度も飽きること無く読み返した。 だが成績が落ちることはない。 自分で言うのもなんだが、私は元から勉強をしなくとも教科書を読めば、大体覚わるのだ。 でも勉強を続けてきたのは、それ以外何をすれば良いか分からなかった為。 興味が沸いたモノが無かった為なのだ。 だから、言われた通りに勉強した。 まるで母親の操り人形のように…。  
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