第一章

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  「――だから私は…こんな下らない抵抗を続けてる…」 試験では何も書かない。授業中、抜け出して屋上に行く。大人と会話を交わさない。 そんな抵抗をしている。 勿論、今までの成績はがた落ち。 すると今まで優しかった親戚や先生は、急に知らない子でも見ているように視線や態度が冷たくなった。 (独り暮らしをしたい…母親から…脱け出したい…) そう思いながら、私は今日も本を開く。 近藤 勇 土方歳三 山南敬助 沖田総司… 誠を掲げ、最期まで武士道を貫いた人々。 「会えるものなら…逢ってみたい」 そう呟き、私は本を開いたまま深い闇へと…眠りについた。  
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