プロローグ

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あっ、そうそう。 自分がイメージして作り出した人物じゃなくて、 『こっち』の世界の住民?人?幻?なのかは分かんないけど なんか元々居た奴?が 最近はやけにリアルに見えるようになってきた。 最初の頃は影みたいな霧のようにぼやぁっと見えるだけだったのに。 まぁでも、この世界は夢みたいなものだから俺の想像力が膨れ上がってきてるんだろうな。 一回も会話したことは無い。 なんか怖いから。 だってただ無表情で立ってるだけなんだもん。 老若男女様々な人達がさぁ… たまに動いてるみたいだけど。 でも俺のことは見えてないみたい。 何回か目の前を通り過ぎたり 触ってみたりしたけど無反応だったから。 試してみようか? ポンポン 正面から肩を叩いてみた。 「ホラ、無反応でしょ?」 って俺は誰に話しているんだか。 うん?今こっち…見た? あれ?周りにこんなに この人達居たっけ…? 囲まれてる? そう思った瞬間―― バラバラの方向を向いていた人々が一斉に俺を見た。 無表情で…… ゾッとした。 なんか分かんないけどヤバい。 怖い。こっちに近付いてきてる。 俺は急いで体に戻ろうとした。いつも念じるだけでスグに体に戻れた。
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