63人が本棚に入れています
本棚に追加
予期していたとはいえ、あまりにも突然の別れ。
勇司はタバコをセブンスターに変えた。いや、戻したというべきか。
朝の通学電車。ボリュームをMAXにしてBO¢WYを聴く。5人組の周りには満員電車とは思えない空間が出来ている。
周囲の(関わりたくない)オーラを無視して勇司は前を見据えていた。
天神橋筋六丁目の駅から乗ってくる女子高生。毎日見る顔だ。
周囲の誰もが5人を見ようともしないのに、この日はやけにその女子高生と目が合った。
勇司が降りる駅に着く。電車から降りた瞬間、女子高生が顔を赤らめ、うつむき、勇司に手紙を差し出した。
何かを言っていたがボリュームをMAXにしている勇司には聞こえない。勇司はただ手紙を受け取ってセブンスターをくわえ階段をゆっくり上がった。
最初のコメントを投稿しよう!