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藍兄は何を思ってたんだろう。
この狭い世界で私は本当に居場所を見付けられるのだろうか。
プルルル…
家を出て学校へと向かう駅への道
昨日の夜と同じ電話番号を見た。
「…はい、何?…藍兄」
「何、登録してくれた?」
「してない」
藍兄は私の即答にまた、溜息をつく。
「…幸せ逃げるよ?」
「あの人の子供に生まれた俺らが幸せになれるかよ」
もっともな言葉だ。
「……父さんは今、家にいないから、こっちは危ない感じ…」
そっちは?─聞かなくても彼は答えをくれた。
「こっちはビミョー。まぁ、お前もすぐに慣れるだろうけど…あ、」
「何?慣れるって」
彼の"やってしまった"系の声に私は聞き返した。
それに彼は空笑いを返すだけで答えをくれない。
「ま、とりあえず、今は今しか生きれないんだから…やりたいことやっとけ」
そう言って彼は電話を切った。
何時も勝手…
私は今日をやり過ごせるだろうか
やり過ごせる気力も自信も無いけど…
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