カモミール

7/15
前へ
/101ページ
次へ
その頃 私は兄貴っ子だった。 暇があれば藍兄に電話をした。 ハッキリ言って電話代がバカにならない。 一ヶ月に2・3回電話するのが精一杯… だから電話をするのは"暇があれば…"だが"母のいない暇"な時間だった。 その暇は藍兄にとっても暇な時間らしくいつも2コールで出てくれる。 しかし、次第にそれは3コール、4コール…と遅くなっていく。 中3になった私は 1ヶ月に1回電話するかしないか…それも藍兄が出るか出ないか分からない電話。 けれど私は藍兄を忘れられずにいた。 だからか無意識だろうが藍兄が住んでる地域の高校に進学した。 高校生になってからは 藍兄との連絡はめっきり無くなった。 藍兄から、たまにかけてくるが まるで安否を確認するようなもの。 昔みたいに楽しい会話は一切なし。 乱暴な口調も 呼び捨ても"普通"の兄妹の様に当たり前になった。 そう、だからか私は藍兄をウザく感じる様にもなった。 .
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加