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その頃
私は兄貴っ子だった。
暇があれば藍兄に電話をした。
ハッキリ言って電話代がバカにならない。
一ヶ月に2・3回電話するのが精一杯…
だから電話をするのは"暇があれば…"だが"母のいない暇"な時間だった。
その暇は藍兄にとっても暇な時間らしくいつも2コールで出てくれる。
しかし、次第にそれは3コール、4コール…と遅くなっていく。
中3になった私は
1ヶ月に1回電話するかしないか…それも藍兄が出るか出ないか分からない電話。
けれど私は藍兄を忘れられずにいた。
だからか無意識だろうが藍兄が住んでる地域の高校に進学した。
高校生になってからは
藍兄との連絡はめっきり無くなった。
藍兄から、たまにかけてくるが
まるで安否を確認するようなもの。
昔みたいに楽しい会話は一切なし。
乱暴な口調も
呼び捨ても"普通"の兄妹の様に当たり前になった。
そう、だからか私は藍兄をウザく感じる様にもなった。
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