人間の中の悪

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夜の病院はすべからく不気味なものだった。 中に入ると五人の男、 痩せこけた男が自分の兄だ、その周囲にいるスーツの男は我衆院家の使用人たちだ。 「ひさしぶりだな弟、会いたかったよ」 「兄さん……」 沈黙 そして兄さんが手を鳴らすと一人の男がアタッシュケースを開く。 そして中から拳銃を取り出す、そして兄さんが笑いかける。笑った顔と言ってもそこにすがすがしさは無く、黒く人の弱みに付け込むような人間のする、黒い笑顔だ。 「ベレッタM92、これならお前もつかえただろう、我衆院家にいた時に教えてやったはずだ」 「これでどうしろと」 「ゲームだよ、殺し合いのな・・・・・・、実はうちの会社の社員が脱税にきづいてね、殺しちゃったんだよね、それがばれてね……、兄さんを助けてくれ・・・つまり自害しろ!!殺人を犯した社員が追い込まれ自殺、完璧だろう?」 「っ!!」 嫌な汗が全身から吹き出し、過去の記憶がよみがえる。 遊びと称してサバイバルゲームで的にされた記憶。 丸腰で森の中に放り出され、動けなくなるまで打たれ続けた、我衆院家は医学に強いこともあり、僕が死ぬことはなかった。
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