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「んー…疲れたぁ…」
徐々に足が重たくなってる。
階段じゃなくてエスカレーターにしろって支配人に言わなきゃ。
僕の足をこんなに疲れさせるなんて、ひっどいホテル。
「もーやだ、歩きたくない。
けどユチョンが待ってるから迎えに行かなきゃあ…はぁ…。」
ブツブツ文句を言いながら一段一段、階段を上がって行けば…。
「あ、みーっけた!!」
座り込んで俯いたユチョン。
え、なに?死んだの?
まさかと思いながらユチョンに駆け寄れば聞こえてくる小さな寝息。
なんだ、寝てるだけじゃん。
「うん、やっぱり…、きれーな顔」
寝ているユチョンの顎を掬って、顔にかかってる髪をよけてやれば綺麗な顔が見えた。
愛らしい瞳を縁取る長い睫毛。
シミ一つなくて、白くて、滑らかな頬。
キスしたら柔らかそうな肉厚の唇。
堪らなくぎゅっと抱き締めたら甘くて艶やかさを感じさせる香り。
顔に似合わず出っ張った喉と、ハッキリと主張する鎖骨。
広い肩幅に綺麗なラインの細い腰。
とりあえず僕の部屋に運んじゃお。
…拉致じゃないよ?保護するの。
ケータイを取り出して側近を呼んだ。
早く来ないとユチョンが起きちゃうし、背中痛めちゃうのに…。
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