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「こんな手がかりじゃ探しようがないジャマイカ」
もはやギャグとも言えないくだらないオヤジギャグを呟いて珈琲を一口飲むと、もう一度深いため息をついた。
現在、田中の目の前には事件を解く鍵となるものが置かれている。いや、鍵と呼んで良いものかさえ悩むような代物――。
犯人からの挑戦状である。
【挑戦状】
この暗号を解けば犯人である私に繋がるだろう。
45 25 24 33 34 24 54 34 45
――JlSWの使者32 24 43 11 25 24より。
これは事件当日から存在していた訳ではなく、美咲たちが田中に依頼したよりも後に改めて美咲の部屋に置かれていたらしい。つまり後から美咲が個人的に田中の元へ届けに来たため、雪菜は暗号の存在すら知らない。
ちなみに残念な事に両日ともに美咲の部屋の鍵はかけられていなかったらしい。
田中は意味不明な暗号が書かれた紙を前にして頭を抱えていた。
そもそも暗号を解いたところで本当に犯人に行き着くのかが不明なため、ひょっとしたらせっかく暗号を解いても依頼失敗となる可能性がある。
憂鬱になるのも無理はない。
しかし解けるかどうかは別として、この手の暗号は好きだった。そして捜査一課で数々の殺人事件を見てきた田中にとっては、言い方は悪いが人の命が関わったりしないこういう事件は気持ちが軽くなる。
それこそ、本来の田中の推理力を発揮出来るという物だ。今は少しばかり苦戦しているが。
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