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オーバーヒート気味の脳味噌を落ち着かせて冷静に解析する為もう一度珈琲に手を伸ばした時、田中から見て右手にあるドアがノックされた。
即座に応対すると、一人の女性が姿を現す。
「犯人、分かった?」
ドアを開けたのは田中の友人でもあり、依頼主の友人で宝物やGAIAの作者でもある☆雪ノ嬢☆。大多数の者が雪ちゃん、雪さんなどと呼んでいるが、田中は雪と呼び捨てにしていた。
逆に田中はこの女性からティナと呼ばれている。ちなみに年齢は聞いた事がないが、見た目からすると二十代だろう。
普段は美咲並みに口が悪いらしいが、ネットでは比較的大人しいのが特徴だ。
「全然駄目だね。一体何を表しているのか分からないよ」
田中はお手上げとでも言いたげに両手の平を上に向けて肩を竦める(すくめる)。
「へえ。だから素直に雪菜に聞けば良かったのに。もう時間ないんだし、いい加減聞けば?」
雪ノ嬢は苦笑しながら依頼人が話をする際に使用するソファに腰を下ろした。
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