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「これが美咲くんの部屋に置かれていたんだよ。犯行があったのとは別の日にね。……頼むから答えが分かっても言わないでくれよ」
田中は手に持った紙切れを雪菜に手渡した。
受け取った雪菜は一目見て不思議そうな顔をする。
「ティナさん、これ本当に分からないの?」
雪菜は言いながら首を傾げた。
「そりゃもう、雪菜ちゃんみたいに頭が回らないからね」
田中は自嘲気味に笑いながら雪菜に手渡した紙を見つめる。
「うーん。そういう意味じゃなくて……」
雪菜は一瞬考えるような仕草をしてからチラッと雪ノ嬢を見た。
雪ノ嬢は困ったように笑いながら軽く頷く。
その反応を見た雪菜は田中に視線を戻して口を開いた。
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