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誰もいなくなり静まり返った教室に、私達二人は取り残されました。
廊下ではしゃぐ下級生達の声は遠くこだまするように教室を駆け巡ります。
「ねぇ、華奈…?」
私はどうしていいかわからず、俯いて顔を上げようとしない親友の名前を呼びました。
「……。」
しかし彼女は喋りもせず、ただギリギリと唇を噛み締めるだけ。
「華奈…もしかして、私の代わりにずっとイジメられてたの…?」
声は掠れ、震えていました。
彼女は何も言わずに、ただ悔しそうに唇を噛み締めながらコクンと頷きました。
全身から、血の気が引いていくのを感じた時には私は倒れていました。
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