第一章 御前会議、日ソ会議

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「しかしよくスターリンも同意したものだ。あのイエローモンキーはどんな手を使ったのだろうか。」 とル大統領は疑問気に言った。 「はあ。確かに衰退期ではありましたが清やロシアを見事に蹴散らしていきました。昔にはあのモンゴル帝国の2度に渡る侵略を阻止したともいいます。」 「我々の思う有色人種とは異なる民族の様だな。」 ル大統領は続け、 「しかしこれはラッキーだ。この同盟締結を口実に我々は石油禁輸に踏み込める。至急日本大使を呼んでくれ。」 とル大統領は言った。 「かしこまりました。」 とハル国務長官は大統領室を後にした。 ハルが出た後ルーヴェルトは机に置いてある珈琲を飲み、対日戦略計画書である「オレンジ計画」文章を1枚ずつめくった。 その中に「資源を枯渇させる事による日本占領と中国市場独占」と書かれた場所があった‥‥ 日本は地理的に言うと、ソ連や中国側と同盟を組むべきものだ。 なぜなら、資源や食料といった問題では遠地からの輸送はリスクが伴うからだ。 戦争は軍事力だけで解決出来るものではない。特に近代になるにつれては特にそうだ。 考えて欲しい。太平洋戦争の時、同盟を組んだドイツ・イタリアからどんな支援を受けた? 何も受けていないではないか。
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