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青い空にのびあがった空が青年を見おろしていた。
青年はつぶった瞼の裏に太陽を感じながら、草の間に横になっていた。
周囲には草いきれが満ち、名も知れぬ虫たちが羽音をたてて飛びまわっている。
どこからか、彼の名前を呼ぶのが聞こえた。
「おーいクロニクル」
寝ころんでいた少年は体をおこし、見つからぬよう体を低くした。
声が近づいて来る。
青年はくすくす笑い、首にあるネックレスを落とさないように手で押さえながら、古い石垣を登った。
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