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その夜、何やら外が騒がしくなってきた。
ティルスはベッドから起き上がった
「勇者を探せ!殺すのだ!!」
声が聞こえる。
「殺せ!」
「勇者を殺せ!」
「!?」
ティルスはいきおいよくベッドから飛び出した。
外に出ようと扉に手をかけた瞬間に扉が開きエレナがはいってきた
「母さん!なにがあったんだよ!」
エレナはティルスの言う言葉を受け流して床にある隠し扉を開いた。
「いい?ティルス。外の騒ぎがおさまるまでここからでちゃダメよ。おさまったら隣町のルーグイン町まで行きなさい。」
エレナはティルスにロングソードを渡した。
「どういうこと?母さん!なにがあったんだよ!」
エレナは今までにない必死な表情をみせ肩を掴んで言った。
「よくきいて…私はあなたの本当の母親じゃないのよ。」
ティルスは耳を疑った。
俺の本当の母親じゃない?
「…嘘だ…。」
「あなたの母親は私のかつての魔法学校の師匠、アリア・ロワイヤスよ。」
ティルスはそのことを半信半疑で聞いていた。
「そしてあなたの父親の名はティス・ロワイヤス」
「!!」
「ごめんね…今まで嘘ついてて…。でもティスもアリアも亡くなった時思ったの、私が…私が二人の分まで頑張ってあなたを育てなきゃって」
「母…さん…。」
「ありがとう。今まで私をお母さんと読んでくれて…」
エレナは流す涙を拭いながら言った
エレナは呪文マネマネでティルスそっくりに化けて扉を閉めた
「母さん!?母さん!開けてくるよ!俺も行くっ母さん!」
どんなに叩いても扉は開かなかった。
「ティルスあなたは生きて!」
これがエレナの最後の言葉だった。
「俺はここだ!」
「勇者だ!殺せ!」
ティルスに化けたエレナは飛び出して剣を構えた。
さようなら…ティルス。本当の母親でなくてもあなたは私の自慢の息子よ…。
「はぁ!!」
エレナは魔物達に突撃していった。
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