葛藤

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本格的な夏に入ろうとしてるさなか、あたしはまたもバタバタと忙しい日々を送っていた。 最近、由美ちゃんの元気がないと聞いたのは昼休みが終わって席に着いた時だった。 お局が言う。 『この所、昼休みも由美ちゃん大人しいのよ。あんなに熱くなってた足立クンの事も言わないし。 聞いてもあんまりハッキリした返事しないの 亜由美ちゃん、何か聞いてる?』 あたしは、首を横に振る。 母が入院してから、昼休みは夕食の材料を買ったり下ごしらえの為に外に出ている事が多い。 社内会議もなかったので、由美ちゃんと話す機会もほとんどなかった。 『そう。じゃあまたそれとなく聞いてみるね』 お局は仕事を始める。 こういう気遣いが、彼女の凄い所だ。 程なくして、あたしは由美ちゃんに呼ばれた。 湯のみの片付けを手伝って欲しいとの名目だったが、明らかにあたしと話しがしたいための理由付けだった。
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