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あたしは、浮き足立ってた自分を反省しつつ言いようのない淀んだ気分になっていた。
今日1日何だったんだろう。
あたしの人生は、試練の連続みたい。
きっと前世に散々悪いことをしたんだね。
あたしが幸せな気分を味わう時、必ず隣合わせに悲しみがある。
だから、心の底から喜びを表す事が出来ない。
あたしはきっとそんな星の下に生まれたんだね。
だから、お母さんを選ぶよ。
きっと今まで通りに大人しくしていれば、神様も許してくれるに違いない。
あたしは、母さんの方が大事だよ。
だって、血のつながった家族だもの。
一時の感情で流されたら、家族に申し訳ない。
…あたしの心は冷静さを失い、足立さんとお母さん、どちらかを選ぶ事しか考えられなくなっていた。
そして、足立さんを諦めればお母さんが助かるんだ、と勝手に思った。
それは、自分への戒めであり調子に乗ると痛い目にあうんだと小さい時から注意してきた事だった。
あたしは、幸せにならなくていい。
だから、あたし以外の人に罰を与えるのはやめてほしい。
苦しむのは、あたしだけで充分だ。
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