家族

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麻酔が切れる間、じっと母の顔を見る。 父は担当医からの話を聞きに言った。 呼吸する度、マスクが曇る。 幾つもの管が体と機械をつなげている。 …想像した以上に痛々しく、生かされている気がした。 『亜由美…』 弱々しい声が聞こえた。 『…こんな姿見せちゃって…ごめんね…ごめんね…』 何度も呟く母。 麻酔が完全に切れてないので、朦朧としている。 『もう大丈夫だから、ゆっくり眠りな』 あたしは、母の手を握る。 母は、1つ大きな呼吸をしてまた目を閉じた。 父の話によると、腫瘍は全て取り除き、手術は無事成功したらしい。 あとは、術後の経過を見て退院を待つばかりだ。
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