隠れ家

告白

『机の上に離婚届が置いてあったよ。
すでに彼女の署名がしてあるものがね』

『そうですか…。
じゃあ、話し合いは出来なかったんですね』

『だから、彼女にはまだ話足りない事ばかり。
納得がいかなくて指輪も外せないって感じ。
そうは言っても戸籍上ではもう他人なんだけどね』

『もう…どうにもならないんですか？』

『難しいと思う。
それでも、しばらくは思いを綴った手紙を送ってた。
何の返事もなかったけどね
知らない土地に来て、独りで寂しい思いをさせていたんだなぁって今になったら解る事が沢山あるよ』

『そうなんですか…』

『だから、彼女にはもう一度会って誤りたい。
ただそれだけなんだ』